(TOP)PAST EXHIBITIONS

 

匿名の肖像−Anonymous Portrait


place:TOHO BEADS STYLE Tokyo Gallery t (〒111-0052 東京都台東区柳橋1丁目9-11)

artist:Nakamura Ryoichi, Hirakawa Kota

term:2017.8.11~8.26


TOHO BEADS STYLE Tokyo Gallery t では、中村亮一と平川恒太による2人展「匿名の肖像」を開催いたします。本展では、二人の画家が、歴史や国家、人種、宗教を、人間の姿へと映し出した作品群を発表いたします。
中村亮一は、ポーラ美術振興財団の若手芸術家在外研修助成により、アメリカに滞在し(2015-16)、アメリカに於ける20世紀戦前から戦 後の日本人移民、日系アメリカ人が受けた激しい人種差別、排日の為の法の制定と強制収容、アメリカ合衆国に対する忠誠登録の質問 No.27と28(※1)に関心を抱きました。中村は、それらが彼らのアイデンティティに与えた影響を考察し、残された彼らの写真をもとに肖像 画として描き出しています。しかし、描かれた肖像は写真の原形を留めておらず、不鮮明で個人を判別するのが困難であり、アイデンティ ティの揺らぎを彷彿とさせています。
一方、平川恒太は1年半の間、108つの電波時計の上に黒い絵の具のみを用い、福島第一原子力発電所事故の作業員の肖像を描いた作 品《Black color timer》を制作してきました。本作品に描かれる作業員の顔は防護服により個人を特定することが困難な上に、黒のみで描 かれているため近づかなければ何が描かれているのか認識できません。また、時計の秒針の音は、作業員一人ひとりの心音や原発作業の タイムリミットを暗示しているようです。また、関東の電波時計の標準電波は、福島県双葉郡川内村の大鷹鳥谷山の山頂付近にある、おお たかどや山標準電波送信所から送信されており(2012年4月1日まで警戒区域に指定されていた)、福島の今に想いを馳せます。
近年、肖像という共通のテーマを主題に取り組んでいる両作家が描き出す作品は、時代に翻弄される今の我々の姿を想起させるといえま す。本展は、私たちの取り巻く世界、国家、歴史の中での個人とは何か、個人の中における歴史、国家、世界とは何かを問いかけるでしょう。
(※1)
質問27:貴方は命令を受けたら、如何なる地域であれ合衆国軍隊の戦闘任務に服しますか? 質問28:貴方は合衆国に忠誠を誓い、国内外における如何なる攻撃に対しても合衆国を忠実に守り、且つ日本国天皇、外国政府・団体への忠節・従順を誓って否定しますか? https://ja.wikipedia.org/wiki/日系人の強制収容【引用:『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』https://ja.wikipedia.org/wiki/日系人の強制収容】

(プレスリリースより)


Exhibition Views

Black color timer

2016-2017

Acrylic ,Glass primer and oil on Radio clock

diameter 30cm ×108

Black Spuare

2016

70×105cm

flag (ED.9), drawing

Shape of peace…(ver.1

2017

dimension variable

折り紙(千羽鶴、ステルス戦闘機1000機)、映像